教育利用

理科教育におけるプラネタリウムの長所

時刻や天候、季節に左右されない

1年がかりで観察しなければわからない夏至・春分秋分・冬至の太陽の動きの違いも短時間に再現できます。

プラネタリウムの最大の強みは、時刻・天候・季節に関係なくいつでも天体を映し出せることです。
例えば月や星の動きの観察を行うには、夜間に児童・生徒を集めて何時間も観察をする必要があります。しかし実際にはそのような機会を設けるのは困難ですし、せっかく設けたとしても天候が悪ければ何もできなくなります。中学校で学習する星座や太陽の季節変化の観察を行う場合、このような観察を1年間かけて計画的に行う必要がありますが、現実には非常に困難でしょう。
プラネタリウムを使えば、こうした天体の一日の動きや季節変化を、いつでも、短時間に、正確に再現することができます。さらに児童・生徒の理解度に応じて何度でも繰り返すこともできます。

天球の概念がわかりやすい

ドームスクリーンに包み込まれて空全体の星の動きを体感できるのもプラネタリウムならでは。

最近ではパソコンを使って天体の動きをシミュレーションすることができるソフトウェアも数多くあります。しかし、平面的な画面では「天体が低いところから昇ってきて、自分の頭の真上を通る…」と言った感覚を児童・生徒に理解させることは難しく、また、画面の端に近づけば近づくほど、星の並びが歪んでしまいます。
プラネタリウムなら、球面のスクリーンを使って天体の動きを本当の空に限りなく近い状態で再現することができます。方位、子午線、黄道、天頂など、天球の概念が理解できます。

優れたインタープリターが指導する

プラネタリウムの番組には、当館の天文を専門とする職員が直接解説を行います。天文学習の指導のポイントを押さえ、児童・生徒の反応から理解度を把握し、臨機応変に解説していきます。また、科学への関心の芽を育むべく、児童・生徒の星や宇宙についての質問にもきちんとお答えしています。

強烈な体験から「宇宙観」を育む

都会では満天の星を見ることができません。
しかし、プラネタリウムで満天の星に包まれる体験をすることで、日常生活の視点から離れて、地球的・宇宙的な視点で物事を見ることができるようになります。プラネタリウムは、児童・生徒にパラダイム・シフト(世界観の転換)を体験し、日常生活では意識することが少ない「宇宙」を感じることができる数少ない場なのです。

理科の授業の中にプラネタリウムを効果的に組み込んでください

学習投映の位置づけ

プラネタリウムは時刻や天候に関係なく天体の運行を短時間で再現できるシミュレーターです。限られた時間内で天文分野を全て解説することは不可能ですので、学習投映ではプラネタリウムの特性を活かし、天体の動きに関することに重点を置いた投映を行います。
従って学習投映の見学だけで天文分野の授業を終わらせるのではなく、学習投映を観察の事前指導あるいは観察のまとめのような形で、あくまでも天文分野の授業の一部として組み込めるような授業計画を立ててください。

各学校に応じた投映

専門職員が各学校の進度や児童・生徒の反応に応じて解説する形式をとり、学習投映をより効果的なものとするため、事前に「プラネタリウム学習投映 事前アンケート」をお送りしています。天文分野の授業進度やご要望をご記入ください。
投映内容は、アンケートに沿った形でご用意しますが、特別なご要望のある場合には、博物館で担当者との事前打合せをお願いする場合もあります。

天文・宇宙への関心を高める

学習投映の最後の部分では、プラネタリウムのシミュレーション機能を駆使し、迫力のある音と映像で宇宙旅行を体験したり、多少発展的なテーマに触れたりし、児童・生徒の天文・宇宙分野への関心を高めてゆきます。

学校の授業への協力

天文分野の授業全般についても、資料貸出・情報提供などさまざまな形で協力させていただきます。
当館には、天文に関する様々な写真、画像、ビデオ、書籍等の資料があります。また、理科や総合的学習での天文分野の指導について、天文に関するご質問などにも応じてます。
どうぞお気軽にご相談ください。

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