郷土と天文の博物館ブログ

今年の最後に注目しておきたい天文現象と来年の目玉となる天文現象(2020-2021年)

令和2年12月2日

今年もあと少しとなりました。肌寒くなる時期ですが、空気が澄んでくると星がよく見えやすくなります。暖かい恰好をして、ぜひ空を見上げてみてください。

今年(2020年)の最後に注目しておきたい天文現象

空で土星と木星が大接近

 夕方、太陽が沈んで空が薄暗くなってきたころ、西の空の低いところに、星が2つ仲良く並んで輝いています。
とても明るい方が「木星」。少し控えめな輝きの方が「土星」です。
夏ごろから空に並んで見えていた木星と土星ですが、実は空に見えている木星と土星の間の距離が少しずつ近くなってきています。
12月の21日から22日かけては木星と土星が空で大接近します。
木星と土星が空で接近するのはおよそ20年に一度ありますが、今月に見られる「大」接近は397年ぶりとのことです。
大接近の後は、少しずつ離れてしまうため、なるべく西の空がひらけたところで、木星と土星がとても仲良く輝く姿を目に焼き付けておきましょう。

図:12月の土星と木星が南西の空で接近していく様子〈画像をタップまたはクリックすると拡大表示します〉

ふたご座流星群の極大日

12月14日は、ふたご座流星群がピークとなります。翌日の15日が新月のため、月明かりがないという、とても条件の良い空です。14日前後の日でも流れ星が見られるチャンスがあります。なるべく空がひらけていて、近くに明るいものがないところで観察してみましょう。

来年(2021年)の目玉となる天文現象

2021年の目玉の天文現象は「月食」です。
月食は、地球の周りをまわっている月が地球の影の中に入る時におこります。そして、かならず満月の日におこります。
月の全体が地球の影にすっぽり入るときは「皆既月食」、月の一部が影に入るときは「部分月食」です。

来年は、月食が2回も日本で見られます。
1回目は5月26日に「皆既月食」。2回目は11月19日に「部分月食」です。

【月食を見る3つのポイント】

◆ポイントその1「道具は必要なし」

月食は普段、私たちが月を見るのと同じように見ることができます。特別な道具を用意して見る必要はありません。
もちろん、もっとよく観察してみたいという人は双眼鏡や望遠鏡があっても良いと思います。

◆ポイントその2「月の色に注目」

月食のときは、いつもと違う色の月を楽しむことができます。
5月と11月の満月の日も徐々に地球の影に入っていきます。
5月の皆既月食のときには、月が地球の影にすっぽり入りますが、
真っ暗になって見えなくなるわけではありません。
来年の5月の皆既月食のときはどんな色に見えるのか、確かめてみてください。

◆ポイントその3「地球を実感」

月食がおきているときに、月にうつっているのは地球の影です。
私たちが暮らしている星の影を見られるチャンスなのです。
また、普段の月の満ち欠けは、太陽の光が当たっているところと当たっていないところで分かれているのですが、月食は地球の影に入るので、地球の丸い形が感じられる欠け方に見えます。

この3つのポイントを踏まえて、来年の月食をお楽しみください。
月は雲があると隠れてしまうので、月食の日は晴れるといいですね。

図:月食イメージ(デジタルプラネタリウムでシミュレーションした映像)

記事・作図:博物館専門調査員(天文担当)

※このブログの内容は"FMかつしか「まなびランド」"で令和2年12月2日に放送した内容を編集したものです。博物館専門調査員(情報担当)

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