文化財・かつしかの遺跡

かつしかの遺跡紹介

青戸の遺跡

 青戸には御殿山・葛西城址があります。この遺跡は、下層が古墳時代前期の集落跡、上層が中世の城館跡である葛西城址となります。
 古墳時代前期の集落跡からは畠の跡や漁労用の網のオモリとして使われた土錘が出土しており、農耕、漁労が行われていたことが窺えます。他地域に由来する口縁部がアルファベットのSに似た形の土器が出土しています。この集落は中川右岸に立地しており、河川を使った人やモノの往来が土器から推測されます。

 葛西城は15世紀中頃、当時この地域を支配していた上杉氏によって築城され、16世紀には関東の領国化を進める北条氏の支城になりました。現在、御殿山公園、葛西城址公園となっている一帯が城の中心部である主郭で、その周囲に幾つかの郭があったと考えられます。主郭は幅20mの堀で囲われ堅固な守りでした。天正18年(1590)の豊臣秀吉の北条氏攻めで落城しています。
 葛西城址では中国産の磁器や国産陶器、土器、漆器や下駄などの木製品、武器類といった様々な遺物が出土しています。中国元代の青花器台は類例の少ない貴重な資料です。

 葛西城は徳川家康が江戸に幕府を開いた後、将軍の御殿として使われました。これを青戸御殿と呼んでいます。家康は鷹狩でこの地域を訪れた際、青戸御殿を休息、宿泊に使っていました。青戸御殿の時期のものとしては、陶器や漆器、瓦などが出土しています。また、青戸御殿の時期の建物跡も見つかっています。

遺跡一覧
No. 名称
8 御殿山・葛西城址

発掘調査で見つかった遺構と出土品

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