

おはなしのはじめに
太陽が動くと、影はどうなる?
よく晴れた日、外に出て立ってみると自分の影ができます。
その影は、太陽の光によってできた影です。
太陽は朝、東のほうからのぼって、昼ごろ南の空を通って、夕方、西のほうにしずみます。
太陽が動いているということは、太陽の光でできる影も動いているはずです。
太陽の動きと影のでき方にはどんな関係があるのでしょうか?
太陽と影の関係を考えていきましょう。
目次

1時間目
影の位置を見てみよう!
太陽の光でできた影の位置を調べるために、博物館では次のような観察をしてみました。
注意)絶対に太陽を直接見てはいけません。目を痛めたり、最悪の場合は失明したりする危険性があります。
[用意したもの]
つまようじ、消しゴム、方位磁針(コンパス)
※つまようじは、写真を撮っても見やすいように、赤色にぬりました
[観察の準備]
つまようじが地面に置いても倒れないように、消しゴムにさしておく。
太陽の光が1日中あたる、広い場所をえらぶ。
影の位置を調べるために方位磁針を近くにおいて、方位を確認できるようにする。
[観察方法]
決めた観察場所の地面に消しゴムにさしたつまようじと方位磁針を置く。
朝(9時ごろ)、昼(午後0時ごろ)、夕方(午後4時ごろ)に同じつまようじの影の観察をする。
影が出た位置を記録する(記録の方法は、写真で撮影したり、つまようじの下に紙をおいて、影の位置をえんぴつで印をつけたりしても良い)。
観察をしたときの年月日、天気、観察場所、それぞれの時間で気がついたことをメモしておく。
[観察結果]
観 察 日:2020年9月22日
天 気:晴れ時々くもり
観察場所:葛飾区郷土と天文の博物館 屋上
上の写真は、朝に観察したときの様子です。つまようじの影は西のほうにのびています。
この影は、太陽の光でできた影なので、太陽はつまようじの影の反対側にあることがわかります。

2時間目
時間ごとに影の位置を見てみよう!
下の3つの写真は、1時間目と同じ9月22日の朝、昼、夕方それぞれの観察結果の様子です。
太陽の1日の動きを思い出しながら、つまようじの影ができている方位をたしかめてみましょう。
つまようじの影は、朝は西に、昼は北に、夕方は東のほうにのびています。
影の反対側に太陽があるので、太陽の位置は、朝は東に、昼は南に、夕方は西のほうにあることがわかります。
影の観察で、太陽の1日の動きをたしかめることができました。
影の位置から、太陽の方位を知ることができました。


3時間目
影の長さを考えてみよう!
2時間目では、朝、昼、夕方の影の位置がわかりました。
今度は、影の長さに注目して見てみましょう。
下の2つの写真は、2時間目の昼と夕方の観察結果の写真です。
昼と夕方で影の長さをくらべてみると、夕方のほうが長いことがわかります。
どうして、夕方の影は長いのでしょうか?
これも太陽の1日の動きと関係があります。
太陽の1日の動きの絵を思い出してみましょう。太陽は、朝、東のほうからのぼって、昼ごろ南の空高くをとおり、夕方、西のほうにしずみます。
太陽は「高さ」を変えながら東から西へ動いているのです。
高さが変わると、影の長さはどうなるのでしょうか。
太陽のかわりにライトを使って見てみましょう。
昼は太陽が空の高いところにあるので、影の長さが短くなります。
朝と夕方は太陽が空の低いところにあるので、影の長さが長くなります。
影の長さが短くなったり長くなったりするのは、太陽の高さが変わるからです。
影の長さから、太陽が空の高いところにあるのか空の低いところにあるのかを知ることができます。

4時間目
9月と12月の影をくらべてみよう!
1時間目から3時間目の影の観察は9月に行いました。
ちがう月の同じ時間に影の観察をしても、同じ長さの影ができるのでしょうか?
博物館では、12月にも同じように影の観察をしました。
9月と12月の昼の影をくらべてみましょう。
9月も12月も同じ方向(北)に影がのびていますが、9月と12月では影の長さがちがうことがわかります。
どうして、同じ時間(昼の午後0時ごろ)でも9月と12月で影の長さがちがうのでしょうか?
太陽が朝、東のほうからのぼって、昼ごろ南の空をとおり、夕方、西のほうにしずむ動きは変わりません。
しかし、太陽の高さが毎日少しずつ変わっています。
昼の影の長さをくらべてみると、12月のほうが影が長いので、9月(秋)より12月(冬)のほうが太陽の高さが低いことがわかります。

深めよう
今回は秋と冬の影の観察をしました。春と夏はどうなるのでしょうか?
1年のうちで、昼の太陽の高さが一番高くなるのは、6月の夏至の日です。
一番低くなるのは、12月の冬至の日です。
昼の太陽の高さが一番高い日と一番低い日のちょうど真ん中の高さになるのは、
3月の春分の日と9月の秋分の日です。
2020年の冬至は、12月21日でした。
冬至から夏至まで、太陽の高さは少しずつ高くなっていきます。
昼間、おうちの窓ぎわですごしていると、夏と冬では日差しのさしこみ方がちがいます。
おうちですごしているときに、窓ぎわやベランダの日差しに注目したり影をつくってみたりして、影のでき方を体験してみましょう。

おはなしのさいごに
影と太陽のおはなしはいかがでしたか?太陽の光でできる影を観察することで、太陽の位置(方位と高さ)を知ることができました。また、季節ごとに昼の影を観察することで、太陽の高さが少しずつ変わっていることを知ることができます。晴れた日は影に注目して、すごしてみましょう!
それではさいごに「まとめクイズ」に挑戦しましょう。
