展示
特別展「セルロイドの町かつしか」
過去の企画展・特別展

概要

わが国では大正初期から昭和40年代にかけて、セルロイド素材の生活雑貨や玩具などが生産されていました。特に葛飾区では、セルロイド玩具の生産が盛んで、四つ木、立石などに多くの工場が存在していました。
この特別展では、葛飾区のセルロイド産業の状況や技術について、当時携わった人々の視点を通じて紹介していきます。日本の近代化を支えたセルロイド産業の歴史や文化を再検討する機会となればと思います。
特別展示として、「世界で初めて作られたビスク製キューピー人形」が展示されます。ぜひご高覧ください。
展示構成
1.東京東部のセルロイド産業
葛飾区を始めとする東京東部ではセルロイドの人形玩具が盛んに製造されました。おなじみのキューピーを始めとする外国の風俗を模した人形が葛飾区でたくさん生産され、大正から昭和初期にかけて海外に輸出されました。昭和2年には、日本のセルロイド玩具の生産数は世界一位となります。
ここでは葛飾で作られた100点を越えるセルロイド玩具やセルロイドの縁起物を展示し、大規模なセルロイド玩具産業が盛んになった背景を紹介していきます。
見どころ
葛飾区登録有形民俗文化財の「旧セキグチドールハウス収蔵品一括」が久しぶりに展示されます。
2百体におよぶセルロイド人形の展示は圧巻です。
2.セルロイド産業に携わった人たち

セルロイドの製品を作るには、たくさんの工程があり、携わる職人が大勢いました。ここではセルロイド産業を支えたマイスターたちの活躍の様子を、製造用具や映像資料などで紹介し、セルロイド産業の歴史や技術、文化を紹介します。
見どころ
セルロイドの製品づくりに携わっていた方の技術力は、現代工業の基本のひとつとなっています。
再現映像や道具などの実物資料などで、その技術を紹介します。
3.暮らしのなかのセルロイド
セルロイドは明治3年、アメリカのジョン・ウエズリー・ハイエットによって実用化された合成樹脂素材です。熱加工することで容易に形を変えることができること、彩色がしやすいこと、大量生産が可能なことなど多くの利点があったため、大正時代から昭和40年代にかけて、万年筆やメガネ、風呂桶や筆箱などの日用品の材料としてたくさん利用されました。それまで象牙や銘木など高級な材料で作られていた道具や玩具が、セルロイドの登場によって大衆化し、庶民の暮らしを変えていきました。
見どころ
昭和30年代まで一般的だったセルロイド製の日用品を、昭和30年代の復元家屋のコーナーで展示します。
会場:郷土と天文の博物館 特別企画展示室及び常設展示室の一部
会期:平成28年11月3日(木曜日・祝日)から平成29年1月9日(月曜日・祝日)
「セルロイドの町かつしか」チラシ表面(PDF 1225KB)
図録

特別展の図録を一部920円にて販売しております。
お求めの際は、一階受付カウンターにお越しください。
関連イベント
1.綿くり体験教室
セルロイドの原料には綿が使われています。綿花の繊維と種とを分ける綿繰り機の体験ができます。
日時:平成28年11月26日(土曜日)午後10時から11時30分まで
会場:郷土と天文の博物館講堂
費用:入館料100円(土曜日につき中学生以下無料)
申込み不要 直接会場へ(先着30人)
2.トークショー◎葛飾のセルロイド玩具産業について
講師:関口晃市氏(株式会社セキグチ会長)
葛飾区のセルロイド工業の勃興期から深いかかわりを持ち、昭和50年代には日本を代表する玩具メーカーになった株式会社セキグチの関口晃市氏をお招きしてのトークショーです。
日時:平成28年12月10日(土曜日)午後2時から4時まで
会場:郷土と天文の博物館講堂
受講料:200円
3.講演会◎キューピーにかかわる歴史や文化について
講師:北川和夫氏(日本キューピークラブ会長)
私たち日本人になじみの深いキューピーについて、ローズオニールおよびキューピー研究の第一人者である北川和夫氏に講演いただきます。
日時:平成28年12月17日(土曜日) 午後2時から4時まで
会場:郷土と天文の博物館講堂
受講料:200円
4.セルロイド人形染付体験教室
セルロイド玩具は、クリスマスツリーのオーナメントとしてアメリカに輸出されていました。クリスマスイブの日に、セルロイドの人形の染付けをしてみませんか? オーナメントやプレゼントにどうぞ。
日時:平成28年12月24日(土曜日) 午後2時から4時まで
会場:郷土と天文の博物館講堂
費用:入館料100円(土曜日につき中学生以下無料)