郷土と天文の博物館ブログ

月面X(2021年)

令和3年3月17日

2021(令和3)年2月19日に撮影された月の写真です。
月のかけ際に、白く光る『X』の形が浮かび上がっているところを探してみてください。

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写真:2021年2月19日の月 当館天文ボランティア撮影

拡大した写真で確かめてみましょう。
○で囲んだところに、『X』の形に光っている部分があります。最近、天文ファンの間ではでこれを『月面X(エックス)』と呼んでいます。

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写真:2021年2月19日の月(拡大) 当館天文ボランティア撮影

『月面X』をさらに拡大してみましょう。
このX型の正体は、その近くにある3つクレーターの縁の部分だけが太陽光に照らされたものです。

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写真:2021年2月19日の『月面X』 当館天文ボランティア撮影

上の写真にクレーターの名前を入れてみました。
Xの文字の左右と上に、プランキヌス、ラカイユ、プールバッハという3つのクレーターがあります。

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写真:2021年2月19日の『月面X』(クレーター名追加) 当館天文ボランティア撮影

他の日に撮影された月面と比べてみると、『月面X』にあたる部分が3つのクレーターの縁だということがよくわかります。

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写真:2020年10月25日の月面 当館撮影

『月面X』は、月面への太陽の光の当たり方が変わっていくために見られる現象なので、月が満ち欠けするたびに起きています。しかし、『月面X』の状態になるのは1時間程度なので、ちょうどその時に月が夜空に出ていないと見ることができません。そのため、『月面X』を実際に見ることができるのは年に数回になります。

『月面X』の観察には望遠鏡が必要ですが、参考までにこのあと2021年に日本で『月面X』が見られる日をご紹介します。

4月19日21時頃、6月17日21時半頃、8月15日20時半頃、10月13日20時半頃、12月11日22時半頃

記事:博物館学芸員(天文担当)/写真協力:当館天文ボランティア

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