郷土と天文の博物館ブログ

この夏楽しめる流れ星(2021年)

令和3年8月4日

みなさんは流れ星をご覧になったことがあるでしょうか。星空に突然すっと現れて消えてゆく、光の筋のようなものです。流れ星が消えるまでに願い事を3回唱えれば叶う、といわれることもありますね。

流れ星とは

流れ星というのは、宇宙にある小さなチリが猛スピードで地球に飛び込んでとても熱くなり、ガスになったチリの成分と地球の大気の成分が上空100キロメートルくらいのところで光を放つという現象です。意外と近いところで光っているのですね。

では、流れ星の元となるチリはどこからやってくるのでしょうか。まず、わたしたちの地球がどんなところにあるか確認しておきましょう。地球は太陽を中心とした太陽系と呼ばれる世界の一員です。太陽系では惑星である地球をはじめ、大小さまざまな天体が太陽を巡っていますが、そんな天体の一つが流れ星のふるさとであるほうき星です。

ほうき星は彗星とも呼ばれ、何年かに一度夜空に現れて、しばらくの間美しい尾を伸ばした姿をみせてくれます。古いところですと、ハレー彗星やジャコビニ彗星という名前をご記憶の方もいらっしゃると思いますが、最近はなかなかお目にかかれませんね。

ほうき星は、直径が数キロメートル程度の汚れた雪の塊のような小さめの星です。地球と異なり、通り道が潰れた楕円型をしています。そのため、太陽を一周する度に太陽に近づいたり遠ざかったりします。太陽に近づくと熱さで氷が解け、ほうき星から噴き出したガスやチリは太陽に照らされます。こうして美しい尾を伸ばしたほうき星が通り過ぎたあと、たくさんのチリが残されます。つまり流れ星の元となるチリは、ほうき星の落とし物というわけなのですね。

流星群

地球の通り道には、このほうき星の通り道と交差する場所が何か所もあります。地球は太陽を一周するたびに同じ場所を通りますから、毎年同じ時期に同じほうき星の通り道をくぐり抜けます。このとき地球の上空にはたくさんのチリが飛び込み次々と光っては消え、いつもの夜よりたくさんの流れ星を見ることができます。これを流星群と呼んでいます。

今年もお盆の直前の812日頃、流星群がやってきます。この時期の流れ星はペルセウス座という星座の辺りから放射状に流れるため、ペルセウス座流星群と呼ばれています。条件の良い場所であれば、様々な明るさの流れ星が1時間に数十個は流れると予想されています。

葛飾での流れ星の見つけ方

流れ星がいくつくらい流れるか、空のどの辺りに出るかは、流れてみるまでわかりません。空が広く見えて眩しい灯りが視界に入らない安全な場所を探しておきましょう。てるてるぼうずとお願い事も用意しておくといいですね。

月が沈んで夜が更けたら空の広い範囲をぼんやりと見上げ、何かが光ったらすぐにそちらに目を移して流れ星にピントを合わせましょう。コツがつかめたら、あとは魚釣りのようにひたすら待つだけです。最低でも20分くらい頑張れば、明るい流れ星を見つけることができると思います。当日は晴れてきれいな星空が見える夜になるといいですね。今年はぜひ葛飾の空で流れ星を探してみてはいかがでしょうか。

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記事:博物館専門調査員(天文担当)
写真:出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)
Siarakduz、2016年8月11日、ペルセウス座流星群
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Perseid.jpg?uselang=ja

※このブログの内容は"FMかつしか「まなびランド」"で令和3年8月4日に放送した内容を編集したものです。博物館専門調査員(情報担当)

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