郷土と天文の博物館ブログ

流れ星(2023年)

令和5年11月29日

みなさんは、流れ星を見たことがありますか?
晴れた夜、街灯りの少ない空で、流れ星は針のように細く光ってあっという間に消えてしまいます。見えている時間はほぼ1秒以下で、数秒間も見えるのは珍しいものです。見えている間に願い事を3回言えばかなうと言われていますね。

火球と流れ星

流れ星は、宇宙にある小さなチリの粒が地球に飛び込んできて、大気と衝突して高温になって100㎞くらいの高さで光ります。特に明るいものを火球と呼びます。最近はニュースで取りあげられています。動画を見た方もいるのではないでしょうか。
多くの流れ星は地上まで落ちません。ただ、火球のような明るい流れ星では、まれに地上まで落ちてきて隕石になります。

最近、日本に落下した隕石は習志野隕石です。202072日の午前2時ごろ、この隕石の落下とみられる火球が関東地方などで目撃情報がありました。隕石は千葉県内で見つかり、発見地から命名されました。
隕石のふるさとは小惑星や惑星や月など色々です。これまでに世界中で約5万個見つかっています。ちなみに隕石の保有数は日本が世界第2位です。日本の隕石と言っても、国内で見つかったものだけでなく、南極観測隊が南極で数多く発見しています。

流星群

流れ星の材料は宇宙にある小さな粒やチリなどです。太陽の周りには小惑星や彗星(ほうき星)のような小さな天体もまわっています。彗星の本体は汚れた雪ダルマです。彗星は太陽に近づくと蒸発して、チリを通り道に残します。これが地球の通り道と重なるときに流れ星になります。地上から見ると、毎年、同じ時期に同じ星座を中心に流れ星が見えることになり、○○座流星群と呼んでいます。

流れ星が雨のようにたくさん見えたといえば、20011118日から19日にしし座流星群の大出現がありました。ただ、これからの時期に観察をするなら、毎年12月中旬のふたご座流星群がおすすめです。
この時期のふたご座は、午後9時ごろは東の空、真夜中は南の空、明け方は西の空に見えます。今年のふたご座流星群のピークは、1214日の夜から15日の明け方と予想されています。この流星群はゆっくりとした長い流れ星が多いのが特徴です。

探してみよう

観察には空が晴れていることが大切です。星座を中心に見えるといっても、どの方向に見えるかはわかりません。そこで、安全で空が広く見える、まぶしい明かりが目に入ってこない場所がおすすめです。暖かい服装をして、安全な場所で周りの暗さに目を慣らして、夜空の広い範囲を見渡しましょう。周りの暗さに目が慣れるまで15分はかかりますので、根気よく観察してください。

流れ星は、道具がなくても肉眼で探せる天文現象です。
だんだん寒くなる時期ですが、良かったら夜空を楽しんでみてください。

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記事:博物館専門調査員(天文担当)

※このブログの内容は"FMかつしか「まなびランド」"で令和5年11月15日に放送した内容を編集したものです。博物館専門調査員(情報担当)

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