郷土と天文の博物館ブログ

様々な人工衛星

令和8年3月19日

今回は、私たちの生活を様々な形で支えてくれている人工衛星がテーマです。

宇宙に打上げられる機械には地球の周りを回っているものと地球より遠い場所を調べたりするものがありますが、その中でも地球の周りを回っているものを主に「人工衛星」と言います。普段はあまり気にしていないと思いますが、実は私たちの頭上を多くの人工衛星が通っていて、私たちの暮らしや地球を見守ってくれています。でも人工衛星って、具体的にどんなことをしているのでしょうか?私たちの暮らしにどのように役立っているのでしょうか?その一部をご紹介しましょう。

皆さんが家から外出される時、天気は気になりますよね。雨が降っていれば傘が必要ですし、雪であれば履く靴をどうするか考えるかもしれません。
人工衛星は、この天気を調べるのに役立っています。有名な人工衛星では気象衛星「ひまわり」というのがあります。気象庁はこれを使って、台風や低気圧、前線などの気象現象を観測しています。そして、地上での観測データ等と組み合わせて天気の分布を予測することで、天気予報に活用しています。

「ひまわり」の他にも、世界中の雨や雪を観測する衛星GPM主衛星」)や、雲や雲粒の動きを見る衛星EarthCARE」衛星)など、目的に合わせて様々な人工衛星が気象に関わる観測をしています。

写真:気象庁公開の気象衛星ひまわりのデータ

そして、外出する時にはスマートフォンを持ち歩く方も多いと思います。特に、目的地が初めて訪れる場所であった場合、地図アプリを開いて、道案内をしてもらうこともあると思います。
地図アプリや車のカーナビなどで使われている位置情報。その一つに「衛星測位システム」というものがあります。これは、このシステムを使っている人の正確な位置や時刻を最低4機以上の人工衛星を利用して知ることができる仕組みのことです。
GPS」という言葉を耳にしたことがある方も多いかと思いますが、これも衛星測位システムの一つになります。GPSの場合は世界中で位置情報などを提供するために、24機以上の人工衛星を使っています。このGPSはアメリカが運用していますが、日本だと「みちびき」というのがあります。「みちびき」はGPSを補う役割をしています。GPSでは人工衛星が地球全体を周っているのに対して、「みちびき」ではアジア・オセアニア地域上空を飛んでいるので、日本にいる私たちにとっては電波を受信しやすく、安定して位置を知ることが出来ます。

写真:みちびき4号機 CG画像(提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局)

また、皆さんはこの記事をインターネットに接続してスマートフォンなどで見ておられると思います。
このようなインターネットにも人工衛星が使われるようになってきました。「衛星ブロードバンドインターネット」と呼ばれます。動画や音楽などのストリーミング再生やオンラインゲーム、ビデオ通話など色々なことができます。

テレビもBS放送やCS放送がありますが、ここでもBS放送では放送衛星、CS放送では通信衛星という種類の人工衛星を使用しています。

こうやって考えていくと、私たちは既に宇宙を活用して多くの恩恵を受けているのが分かります。便利な宇宙、そして人工衛星。宇宙環境に配慮しつつも、これからも上手く活用していきたいですね。

記事:博物館専門調査員(天文担当)/写真:気象庁ウェブサイト、みちびき公式サイト(内閣府宇宙開発戦略推進事務局)より

※このブログの内容は"FMかつしか「まなびランド」"で令和8年3月4日に放送した内容を編集したものです。博物館専門調査員(情報担当)

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