郷土と天文の博物館ブログ

「コズミック・ハーモニー 138億年の響き」を観てきました!

令和4年1月19日

プラネタリウムで今月スタートした新番組「コズミック・ハーモニー 138億年の響き」。みなさんにもご覧いただきたく、ここで少しご紹介します。

220113_blog-47_cosmic-harmony_01.jpg

写真:冨田 勲 氏

この番組の音楽には、シンセサイザー音楽の先駆者・冨田とみた いさお氏(1932-2016)のサラウンド音源が使用されています。その名前を知らない人でも、テレビやドラマ、映画などで耳にしている曲が必ずと言って良いほどあると思います。
自らが作ったスタジオで、音楽制作の全工程を作曲者自ら行うという一貫した表現によって、独自の音楽を創り出し、またサラウンド(立体音響)による音場おんじょう表現にこだわり実践した方です。
※音場…音が広がる空間
「サラウンド」と聞くと、シアターでの臨場感のある音響がパッと思い浮かぶように今では普通に使われている言葉ですが、まだそれが一般的でない時代から彼が生涯をかけて追求した『音に囲まれた宇宙』を、プラネタリウムの映像と音響機器を駆使して表現しています。

(今回全面協力をいただいたTOMITA information Hub」のプロフィールページ(外部サイトが開きます)には、彼がサラウンドに興味を持つきっかけとなったあるもの、ラジオを使ったステレオ放送の実践、超立体音響を具現化した野外イベントなど、興味深いエピソードが載っていますので、あわせてご覧ください。)

そんな独創的な音楽を受け、映像でも今までとは趣向の異なる表現に挑戦しています。また、番組紹介ページにあるように、無音の世界と思われている宇宙で奏でられている様々な音が紹介されますが、最新研究からわかったビッグバン直後の『宇宙最初のハーモニー』を、パイプオルガンの音で再現するという実験的試みも行われました。
正面もなければ、端もない宇宙。私達のまだ知り得ない宇宙のどこかで遠い昔や未来のいつか、こんなことが起きた(起きる)かも知れない。そんな宇宙もぜひ体験してください。
「地球の未来を考えると悪いことばかりで嫌だったけれど、未来に希望が見えて良かった」。これはこの番組を観た人の感想ですが、それを聞いて私は人間の想像力ってすごいものなんだなぁと思いました。考えてみると宇宙の解明も、音楽を創り出すことも、世の中のありとあらゆる物事は想像力が働かないと生まれないものですよね。夢追人達が見つめ続けた宇宙への浪漫をみなさんにも感じていただけたら嬉しいです。

中間にはもちろん「今夜の星空」の解説もありますよ。冬の夜空にキラリと輝く星たちの声にも耳を傾けてみてくださいね。

さて、みなさんがご覧になったらどんなご感想を抱かれるでしょうか?ご覧になられた後、お時間がございましたらご意見やご感想をお願いします。
アンケートフォームへは、プラネタリウム前に掲示しているQRコードからスマートフォンなどでアクセスしてください。

上映は、令和4年3月15日までの土・日・祝日は午後1時と4時、平日は午後4時です。3月26日からは土曜日午後7時の回で上映します(終了日未定)。詳しくは上映スケジュールをご覧ください。
※新型コロナウイルスの感染状況によって、番組が変更・中止となる場合があります。

ご来館の際には体調のご確認とマスクをお願いします。

記事:博物館専門調査員(情報担当)/写真:博物館学芸員(天文担当)

郷土と天文の博物館ブログ一覧

ページ先頭へ戻る